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3月25日(金)2日目、震災より14日目 [Ishinomaki]

簡単に朝食を取り、9時からNPO”P”に合流。
しかし「一度現場を見てきたほうがいい」と勧められ、
午前中は社協のボランティアに参加することにした。

社協ボランティアの仕組みは、その日参加するボランティアを集め、住民からの要請に割り当てていく方式。
そんなに要請が多いわけでもないが、またボランティアも多くはないので、
集まったボランティアがどんどん出動していく。
TVニュースで、どこかのボランティアセンターで出動をずっとまってるボランティアたちの姿をみたが、
ここは状況が違う。
いまの状況では、寝床(ホテルなどはやってないので、テント以外の選択肢はない)と
自分の食料を確保できないと入ることはできない。

住民からの要請に応じて、というのが行政らしいやり方。
一方、自ら困っている人々を探しに行くのがNPO。

自分は床上浸水の民家で畳出しなどを手伝うチームに入った。
メンバーは4人。
神奈川から来た50代男性、地元の20代男性、地元の高校卒業したばかりの女性とチームを組む。
他県からのボランティアもまあ大変だが、
自らも被災しているのに、それでもボランティアに参加する地元の若者たちもいる。
頭が下がる。近頃の日本はへんなヤツも多いけど、こういう人たちもまた多いのだ。

現場は床上浸水があった地域の一軒家。
おばあさんが一人で暮らしている。
濡れた畳が腐ってしまうので、外に出す必要があるが、ばあさん一人でできるわけがない。
ボランティアに頼めるという話を聞き、依頼したそうだ。
さっそく仕事にかかるが、水を吸った畳の重さは想像以上。
男性2人でも引きずってようやく運べるほどの重さ。
泥水を吸っているので、なんともいえない匂いが漂う。
女の子には散乱した物の片づけを頼み、男性3人で家具を移動しながら合計20畳を外に出した。
お恥ずかしいが、ディスクワークでなまった身体は悲鳴を上げる。
やはりこういう現場はマッチョな方々が活躍できそうだ。
浸水してしまったものはもう捨ててしまうしかない。
家が損壊しなかったといっても、ダメージはかなりのものであろう。

昼前にこの現場での仕事を終えたので、少し海沿いを見にいくことにした。
テレビで報じられている、あの風景。
家が、車が、船が、信じられない有様で重なり合っている。
主要道路はガレキの撤去が済んでいて車が通ることはできるが、
ここはまだまだ自衛隊の活動範囲。一般人は何もすることができないだろう。

午後から”P”に合流した。
”P”は有名なNPOで、自分もその存在や活動内容を知ってはいたが、災害救援活動をしていることは知らなかった。
”P”は明日、東京から50人規模の一般ボランティア部隊をバスで入れるとのこと。
マネーとパワーの存在を感じる。

”P”のメンバーとミーティングを行い、今何が必要かを話し合った。
 ・現場がかなり混乱していて、NPO同士の連携・連絡がうまくとれていない。
 ・避難所が多すぎて、しかも状況が流動的なので、物資や食料のニーズを正確に把握できない。
 ・それでも公式避難所はカバーできるようになってきたが、
  非公式な避難所や避難所外被災者(自宅など)にほとんど食糧が行きわたっていない現実がある。

そこで、避難所情報を管理するシステム、さらにそのデータを地図上で閲覧することができるシステムを組んで欲しいということに。
といってもそんな混乱した現場で、自分一人で、短期間で、なにができるのだろうか・・・。

とにかく始めてみようと、あれこれ試しながら、データ管理はシンプルでメンテナンスが容易であることを重視して、
スプレッドシート(MS Excel)で管理することに。
1レコード1避難所で管理しておけば、項目は随時追加や修正することができると思ったので。
マッチングやデータの整合性を保つのはちょっと難しいが、扱いやすさを重視した。
もちろんデータベースで管理するのが理想だが、メンテナンスができなくなってしまう危険性が大きい。

地図についてはgoogleマップのマイマップ機能を利用することにしたが、
1件1件地図上にピンを指してデータを入力していくのはとても大変。

でもそれ以上のアイデアは出ず、この日の作業は終了。

身体はとても疲れていたが、自分の能力以上の仕事を引き受けてしまったプレッシャーで寝つけず。
こりゃたまらんと、JOCVのPC隊員たちにメールで支援を要請した。
あらゆるIT分野の人がいるので、何かアイデアがでてくるはずと期待し、ちょっと気が楽になり、寝付くことができた。
夜半から雪が降り始める。
雪が降っていたほうが意外と暖かかったりする。
冬のキャンプは初めてだが、どうにかなるものだ。

同宿の二人もこんな寒いなかで寝るのは初めてとのこと。
一人は横浜からヒッチハイクでやってきた20代のダイビング・インストラクター。
もう一人は宮崎県!からやってきた50代の損保代理店経営者。
立場や事情はそれぞれ異なるが、「何かしたい」と思う気持ちから生まれる行動はいっしょ。


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